Archive for the '北海道大学' Category
Posted on 26 6月 by 帯広畜産大学 | パーマリンク
第3回農経シンポが6月25日に開かれました.今回は,北海道農業研究センターの関根研究員と帯広畜産大学の齋藤研究員がそれぞれ,「水田・畑作経営所得安定対策下における畑作経営の意向調査」,「エコフィードを給与して生産した豚肉に対する消費者の評価」というテーマで報告を行いました.
これまで,水田・畑作経営所得安定対策のもと,農家がどのように作付を変えるかについて盛んに研究がされてきました.一方,今回の報告は,既存の作物に加え,新たにどのような作物を栽培したいかを農家に調査したものです.
その結果,新しい作物を導入したいと考えている農家は全農家中1/3と少ないものの,大豆,緑肥,アスパラガスを新たに始めたいと考えている農家が多いことが示されました.さらに,国や農協に期待することとして,新品種開発や普及,機械の開発が挙げられました.
次の報告では,食品廃棄物由来の飼料(エコフィード)が,消費者からどのような評価を受けているかについて,分析結果が報告されました.現在,年間1135万トンもの食品が廃棄されており,その有効利用が求められています.
一方,日本の飼料自給率は20%台と低迷していることから,食品廃棄物を飼料として再利用することで,自給率の向上に貢献すると期待されています.しかし,食品残渣を飼料として用いることから,消費者の食肉に対する評価が低下するのではないかと懸念する農家も多く,エコフィード普及の妨げとなっています.
そこで,エコフィードを給与して生産した豚肉に対する消費者の評価を,表明選考法を用いて分析した結果,一部の消費者からは否定的な評価を受ける一方,エコフィードが循環型社会の実現に貢献することから,資源リサイクルに関心が高い消費者からは肯定的な評価を受けていることが明らかとなりました.また,今後エコフィードの普及のためには,安全性が確保されていることを消費者に周知した上で,消費者のリサイクル意識を高めることが重要であることが示されました.
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Posted on 22 6月 by 帯広畜産大学 | パーマリンク
6月19日から20日にかけて別海町を訪問しました.今回の訪問先は,マイペース酪農交流会,農協や役場などです.
放牧を主体とした酪農家が集まるマイペース酪農交流会では,牧草に含まれる硝酸イオンの濃度測定を行い,放牧地の土の状態や牧草の根の張り方などを観察しました.酪農家で研修中の方や就農して間もない酪農家なども参加しており,交流会が情報交換や技術普及の場として有効に機能していることがうかがえました.
次に,農協と役場で,連携事業についての打ち合わせを行いました.主に,別海町で既に行われているクミカン分析プログラムの改善やクミカンデータベースの更新についてと,地域農業振興計画策定に当たっての連携センターの取り組みについて話し合いました.
放牧地の土の状態を観察
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Posted on 18 6月 by 帯広畜産大学 | パーマリンク
第3回農経シンポを開催いたします。
今回もテレビ会議システムを使い北大、酪農学園大と3大学を結んで行います。
日 時 :6月25日(木) 13:30~
会 場 :帯広畜産大学 総合研究棟1号館2階
E2501.02
-第1報告-
報告者:関根 久子(北海道農業研究センター)
報告テーマ:水田・畑作経営所得安定対策下における畑作経営の意向調査
―十勝中央周辺部A町を対象として―
報告要旨:2007年度から施行された水田・畑作経営所得安定対策により、これまでの価格支持政策から所得補償政策へと農業政策が転換された。本報告では、この新しい政策に関して北海道畑作経営を対象に意向調査を行い、対策が経営に与える影響を明らかにすることを試みる。
-第2報告―
報告者:齋藤 久光(帯広畜産大学)
報告テーマ:エコフィードを給与して生産した豚肉に対する消費者の評価
報告要旨:資源循環への関心の高まりとともに、食品残渣を飼料として再資源化するエコフィードが注目されている。しかし、その由来から畜産物に対する評価の低下が懸念されている。本研究ではエコフィードを給与して生産した豚肉に対する消費者の評価について分析し、エコフィード普及に必要な条件を考察する。
前回はたくさんの方に参加いただきました。第3回もたくさんの方に参加して頂きたいと思います。宜しくお願い致します。
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Posted on 02 6月 by 北大 | パーマリンク
先日6/1にJAふらのにお伺いして、富良野サテライトの取り組みについて打ち合わせをしてきました。午後からは、4月より富良野サテライトに常駐されている糸山健介博士研究員と4月以降の活動状況、今年度の取り組みについて打ち合わせをしました。
富良野サテライトとしては、北海道地域農業研究所とも連携しながらグリーンツーリズムに関する調査研究、「富良野ブランド」をキーワードにした地域振興などの課題に取り組んでいます。
打ち合わせの後には、富良野サテライトの運営に協力していただいている方の農場にお邪魔をしました。そこではJAふらののエーコープ内に設置されている「もぎたて市」というインショップに出荷しているほか、道内のレストランなどに、実に多くの種類の野菜を出荷されています。様々な生物的防除やコンパニオンプラントの栽培、混作・間作の組み合わせなどによって、農薬や化学肥料に極力頼らない方法で栽培を行っています。
どの作物とどの作物を組み合わせるか、どんな作物を隣に栽培するか、等パズルのような技術的試行錯誤を、とても楽しそうに実践されている取り組みの中に、教育・研究のヒントが隠されているのではないかと、同行した当事業事務局長の前田先生も感心されていました。
様々な種類、品種の野菜が植えられたハウス。その数は100種類をこえるということ
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Posted on 29 5月 by 帯広畜産大学 | パーマリンク
5月28日帯広畜産大学において,第2回農経シンポが開催されました.今回も酪農学園大学,北海道大学の3大学連携で行われ,両大学からも多くの出席者がありました.
まず,帯広畜産大学の樋口先生から,「実取りトウモロコシの経営的評価」というタイトルで,報告が行われました.酪農家では,現在,トウモロコシ全体を粉砕し,牛に給与しています.しかし,近年,配合飼料の価格が上昇していることから,実だけを収穫する機械を導入し,配合飼料の代わりに用いることが検討されています.また,トウモロコシを栽培する畑作農家のほうも,実を収穫した後のトウモロコシを畑に鋤きこむことで,畑の地力維持になると期待されています.
そこで,2008年に,帯広畜産大学で行われた栽培及び収穫実験のデータを用いて,酪農家と畑作農家の経営にどのような便益をもたらすかについて分析を行いました.その結果,昨年のような飼料価格高騰や,トウモロコシによる地力向上という条件のもと,今後の普及が見込まれるという結果が得られました.出席者の方からも,栄養価などの点で議論が活発に行われました.
次に,十勝農業試験場の原先生から,「経営研究者からみた現地実証型プロジェクトの進め方」というタイトルで,根釧農業試験場が,中標津のTMRセンター設立の際に,どのような形で地域貢献を行ったかについて,報告していただきました.TMRセンターへの参加状況としては,事業目的を共有した農家により設立された農家集団型と,地域のほとんどの農家が参加する地域集団型があります.
前者では,目的が農家間で共有されていることもあり,設立や経営に大きな問題が生じることは少ないですが,参加農家が限られるため,地域経済に与える影響は小さくなります.一方,後者では,様々な農家が参加するため,設立や経営に対する農家間の意識の差が問題となりますが,多くの農家が参加することで,地域経済の改善につながると期待されます.
中標津のTMRセンターは,当初は農家集団型での設立を考えていました.しかし,農業試験場が個々の農家の草地を分析し,経営診断を行うことで,当初は参加する意向ではなかった農家も,TMRセンターに参加することで得られる便益を具体的に把握することが可能となり,最終的には地域集団型で設立されました.
現在,大学をはじめとする研究機関では,地域貢献が重要な課題となっています.本報告は,具体的に研究機関がどのような形で貢献できるかを明らかにした興味深い事例であったと思います.
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