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Archive for the '大学院講義' Category

第7回農経シンポと第7回基盤学講義

Posted on 07 12月 by 帯広畜産大学 | パーマリンク

 12月4日に第7回農経シンポ及び第7回基盤学講義が行われました.農経シンポの報告者は,帯広畜産大学の樋口君と渡邉君で,修士論文の中間発表をしてもらいました.中間報告なので,結果の要約は省略させていただきます.

 通常,修士論文は研究室内でまとめることが多いのですが,今回は,テレビ会議システムにより酪農学園大学と北海道大学をつないで行いました.修士論文は学生にとり最初の本格的な研究ですが,その分析過程で多くの研究者から意見を伺うことで,よりよい論文に仕上げることができると期待されます.

 基盤学講義は,帯広畜産大学の井上先生より原虫病について講義していただきました.近年,発展途上国における急激な人口増加と経済成長により,食肉に対する需要が拡大しています.需要拡大に伴い食肉生産も増加していますが,その際問題となるのが,牛などの家畜に寄生し発症する原虫病です.

 原虫は人間にも寄生し,原虫病による被害は途上国において大きな問題となっています.今回の講義では,原虫とは何か,どのようにして寄生するのかといった総論に加え,アフリカトリパノソーマ病という,ツェツェバエによって媒介される原虫病について解説していただきました.原虫が動き回る様子やツェツェバエが吸血する様子などを動画で確認することができ,とても興味深い講義でした.

 第8回基盤学講義は12月10日(木)に,北海道大学の川村先生より「おいしさの評価」について講義していただきます.

基盤学の教材づくり

Posted on 04 12月 by 北大 | パーマリンク

先日、十勝にあるJA士幌町のご協力を得て、基盤学に使用する教材づくりの取材をさせていただきました。JA士幌町では、近隣の5つの農協と協同で馬鈴薯の集出荷を行っています。数年前より、生産から収穫、貯蔵、出荷までの一連の工程に関する情報を一元的に管理するシステムを導入しております。

導入した情報管理のシステムを、貯蔵品質の向上、集荷の能率化、製品の安全性の確保など、様々に派生効果を生み出しながら有効に活用しています。

前回9月の取材に続いて二回目の今回、JA士幌町農工課の久保課長補佐をはじめ、生産者組織の代表である矢野氏など、多くのかたのご協力の下に取材をさせていただきました。改めてお礼申し上げます。

現場から学んで、現場に返す。まずは、現場での取材・調査を踏まえて、映像・教材コンテンツとして魅力あるものにしたいと思っております。

秋の十勝。寒風の中撮影をする山崎さん

初冬の十勝。寒風の中撮影をする酪農学園の山崎さん

基盤学第6回講義「細菌性食中毒」

Posted on 30 11月 by 帯広畜産大学 | パーマリンク

 第6回基盤学講義が開講されました.今回は帯広畜産大学倉園先生より,細菌性食中毒について講義していただきました.食中毒の原因は,フグなどの自然毒や農薬などの化学物質など,数多くありますが,大腸菌などの微生物由来の食中毒が最も多く発生しています.

 そこで今回の講義では,微生物とはどのようなものか,微生物によりどのように食中毒が引き起こされるのか,その予防方法と合わせて説明していただきました.具体的な事例として,O157として知られる腸管出血性大腸菌感染症とコレラについても解説していただきました.

 食中毒については,第4回目の講義で,食中毒の発生リスクを消費者にどのように伝達するか,リスクコミュニケーションを中心に講義していただきましたが,今回は,その具体的な発生リスクについて学んだことになります.このように,3大学が連携して講義を行うことで,「食の安全安心」の実践に欠かせない知識について,社会科学だけではなく自然科学からの視点も合わせて学ぶことが可能となります.

 次回は,12月4日(金)の3時から,帯広畜産大学の井上先生より,原虫病学について講義していただきます.

基盤学第5回講義「食料自給率・食料安全保障」

Posted on 25 11月 by 帯広畜産大学 | パーマリンク

 基盤学講義5講目が開講されました.今回の講師は北海道大学の大崎先生で,食料自給率・食料安全保障について,世界の食糧生産の観点から説明がありました.

 石油に依存する20世紀型農業の結果,世界各地で水不足や,土壌侵食などの環境問題が引き起こされました.また,20世紀型農業は,耕地面積を拡大することで,森林破壊を伴いながらも,穀物生産を向上させてきました.

 一方,単収が高い品種を開発することでも,食糧の増産が達成されます.これまでも,発展途上国の農村に緑の革命をもたらしたIR8など,多収品種は数多く開発されてきました.その上で,更なる収量増加をもたらす技術として期待されている根の活性維持に関する研究について,分かりやすく解説していただきました.

 最後に,荒廃地の修復をいかに行っていくべきかなど,21世紀型農業システムの展望について説明していただきました.

 次回は,11月27日(金)の午後3時より,帯広畜産大学の倉園先生より,細菌性食中毒について講義していただきます.

基盤学第4回講義「消費者のリスクに対する認識」

Posted on 16 11月 by 帯広畜産大学 | パーマリンク

 11月13日に4回目の基盤学講義が行われました.今回は帯広畜産大学の金山先生より,消費者のリスクに対する認識について講義を受けました.

 年ごとの食中毒発生状況に大きな変化がないにもかかわらず,近年,食の安全性が強く求められる傾向にあります.その背景として,輸入食材の増加や加工技術の高度化に伴い,生産・流通過程が消費者から見えにくくなっていること,情報源が多様化し,情報が交錯していることなどがあげられます.

 また,専門家と消費者の間で,どのようなリスクを重大なリスクと考えるかなど,リスクの捉えかたに大きな差が存在していることも要因の一つです.そうした状況の下では,第2回目の講義でも触れた「リスクコミュニケーション」を通して,食品リスクについて,消費者に正しく認識させることが必要になります.

 次回11月19日(木)は,食料自給率・食料安全保障について,北海道大学の大崎先生から講義していただきます.