鹿追農協と第2回打ち合わせ
Posted on 10 4月 by 帯広畜産大学 | パーマリンク
3月28日に引き続き,鹿追農協と共同研究についての打ち合わせをしました.その内容は,主に次の3つです.
i)堆肥について
雑草が生えにくいなどの点で,これまでは完熟堆肥が良いとされてきましたが,多額の設備投資が必要となるため,実際には完熟させないまま土に撒かれてきました.そこで,完熟堆肥と比べて,含まれる窒素の量がどの程度違うのか,また,農業経営に与える影響についてはどうなのか明らかにしてほしい.
ii)哺育センターについて
鹿追町では,育成牧場に預ける前の子牛を育てる哺育センターという設備があります.子牛を1ヵ所でまとめて飼うと,規模の経済が働く一方,1頭でも病気にかかると,他の牛に感染する可能性も高まります.そこで,子牛を分散して飼育する場合と,まとめて飼育する場合について,どちらが経営的に良いのかを明らかにしてほしい.
iii)交換耕作について
鹿追町では,畑作と畜産がともに盛んであるため,畑作農家と畜産農家が耕地を交換しながら耕作することで,連作障害の回避や,堆肥による地力回復が期待されます.しかし,交換耕作の経営的な便益が数字で表せないため,農家間の合意形成が困難です.そこで,交換耕作によって,どの程度経営が改善するのかを明らかにしてほしい.
いずれの課題も,持続的農業や食の安全に密接にかかわるもので,現場で環境や食の安全に対する意識が高まっていることが感じられます.
(写真は鹿追ではありませんが、「十勝の春」ということで。)