臨場感ある初めての遠隔授業
臨場感ある初めての遠隔授業―浜中サテライトと酪農学園大学とを結ぶ―
9月8日、浜中サテライトと酪農学園大学をテレビ会議で結び、初めて遠隔授業を実施しました。
浜中サテライトで定期的に実施している「放牧講座」を、酪農学園大学のテレビ会議スタジオから浜中サテライトへ、「放牧の有無と各項目の推移」と題して獣医学部ハードヘルス学ユニット中田 健教授の講義を配信しました。
← 手前側は酪農学園大学の中央館10FにあるTV会議室から中田先生が講義中
パワーポイントで作成した資料がテレビ画面に大きく映し出され、その横に中田教授の顔が映し出されています。
受講者は、離れていても資料と講演者の顔をみながら受講でき、同じ映像を配信側も見ながらの講義で、実際に教室で行っているとあまり差がないように見えます。
← 画面左側には浜中サテライトの受講者が映し出されている
この授業では、「放牧」を積極的に取り入れようとしている浜中町の営農に係るデータを解析して、放牧を取り入れている酪農家と畜舎内で乳牛を飼養している農家の牛乳生産量や牛乳の品質、疾病の発生状況・供用年数の違い、濃厚飼料の給与量の違いなどを比較して、優位点・注意すべき事柄などを説明しました。夏季間は放牧されている乳牛も、冬季間は畜舎で飼養され、飼料の質や環境が全く異なることから、牛乳の生産量や成分も季節によって大きく変動することを十分理解して家畜を管理することが重要であることが話されました。
講義終了後の質疑応答も教室と同じ感覚、双方の顔を確認しながら論議ができました。
放牧では乳中尿素態窒素の季節変動が大きいことにどのように対処したらいいのか、年間を通して牛乳の生産量や成分を安定させるにはどうしたらいいのか、などが主に論議されました。サテライトからデータの提供、連携センターから分析結果の報告を繰り返しながら、家畜の飼養管理に関する課題の解決を図っていくことを確認して、初めての遠隔授業を終了した。
酪農学園大学と浜中サテライトは約400km離れており、JRで約6時間の距離にあるため、1コマ分の講義でも1泊2日の行程となるが、このシステムを利用すると1コマ分を2時間程度で行うことができます。双方都合のいい時間に合わせて、相当数の開講が可能です。研究室からテレビ会議スタジオまで約5分の移動で遠方の方々へ授業を配信できるため、「時間的にも体力的にも助けられる。が、旅の楽しみがなくなるのも寂しい」と陰の声もありました。