第4回農経シンポ
第4回農経シンポを次のとおり開催いたします.
報告者:畠山尚史(明治飼糧)・仙北谷康(帯広畜産大学)
日時:7月30日(木) 午後1時半から
場所:帯広畜産大学 総合研究棟1号館2階 E2503
報告タイトル・要旨
(1) 畠山尚史:酪農の担い手問題と経営継承スタイルの多様性
近年の酪農全国基礎調査から,後継者が決まっている経営は25%に過ぎない.都府県の離農率が高まっているが,後継者が確保できないことが主要因である.北海道においても同様の傾向がみられつつある.
農業における経営継承を考えた場合,”担い手”と称されるように,経営を継ぐ者の解釈が広義になっている.これは従来の家族経営型の継承パターンから法人継承,農業者の農業関連会社の設立,農外資本の参入などの動向から継承パターンが多様化しつつある.
今回の報告では,酪農の経営継承問題を切り口に,今後想定される経営継承のスタイルについて考察することを目的とする.
(2) 仙北谷康:市場経済システム導入後の旧社会主義国の青果物流通
本報告では,主としてチェコ共和国とポーランドにおける青果物流通構造の比較分析を通して,青果物流通構造とそれを規定する要因の関連を実証することである.ほぼ同時期に市場経済システムを導入したこれらの国々も,現在の青果物流通システムは大きく異なる.
これは計画経済システム下における土地所有や食糧管理の仕組み,また工業化・都市化の程度などの社会経済構造は一様ではなかったのであり,体制変換後もその影響を強く受けているからである.