第5回農経シンポが開催されました
Posted on 9月25日 by 帯広畜産大学 |
第5回農経シンポが開催されました.今回の報告者は帯広畜産大学の林さんと十勝農業試験場の白井さんでした.
まず林さんから,「ミカン産地における産地再編と地縁的組織の役割」というタイトルで,産地再編の際に地縁的組織が果たした役割について発表がなされました.国内のミカン産地では,1972年の価格暴落を契機に選別の強化,品種更新,高糖度化技術の採用などにより,商品の差別化が進んできました.
本報告では,愛媛県八幡浜市真穴地区を対象に,地縁的組織が「山廻り」という活動を通して生産技術の伝承を行うことで,生産物の高品質化が達成されたことを明らかにしました.一方,新技術の導入にはあまり積極的でないことから,新技術の普及を担う地域横断的組織が必要であるとの指摘がなされました.
次に白井さんから,「畑作地帯における環境保全型農業の現状と課題」というタイトルで,十勝管内で「北のクリーン農産物表示制度(Yes!clean)」を実施する産地の経済的な特徴について発表がなされました.
その結果,環境保全型農業を実施することで,慣行的な農業に比べ生産費は削減されるものの,生産物の高付加価値化には結びついていないことが明らかにされました.高付加価値化を実現するには,生産者の主体的な関与と,制度の道外での知名度を向上させることが必要であることが示されました.
次回の農経シンポは10月下旬の予定です.